10月に入ると北海道では雪虫が見られるようになります。
「雪虫を見かけたらもうすぐ雪が降る」というのは、北海道の方はよく知っている伝承です。
この『雪虫』って北海道だけに生息しているのでしょうか?
そもそも「雪虫を見かけると雪が降るのはどうして?」と思ったことがありませんか?
この記事では「北海道だけに生息するの?」「雪虫の大量発生はなぜ起こる?」といった疑問について調べました。
雪虫ってどんな虫?
『雪虫』という名前は呼び名であり、正式な名前ではありません。
北海道で見られる雪虫は和名『トドノネオオワタムシ』であり、アブラムシの一種。
体長は約5mm、白いワタのようなふわふわをつけています。
人にくっつくと人の体温で弱っていくという熱に弱いのも特徴です。
白いワタのようなふわふわは分泌物のロウ物質。
白いワタは空を飛びやすくする、外敵から身を守るなどの意味があると言われていますが、詳しいことはまだわかっていません。
雪虫はトドマツの木で成長し、10月頃ヤチダモの木にいっせいに移動をします。
その移動している虫たちが、私達が見ている『雪虫』。
ちなみに和名に含まれている『トドノネ』はトドマツの根という意味です。
1週間ほどの寿命しかなく、その間にオスとメスが出会い1つの卵を産み一生を終えます。
雪虫は北海道だけに生息する?
白いワタをまとった虫は、北海道だけでなく全国に存在します。
『白いワタをまとった虫を雪虫という呼び方をするのは、北海道や東北の雪が降る地域』ということですね。
地域ごとに呼び名があり、関東では『シーラッコ』、京都では『ゆきんこ』などと呼ばれたりしています。
北海道以外で見られる白いワタをまとった虫は、北海道とは違う種類のアブラムシで、山間部に生息していることが多く街中で目にすることは少ないようです。
ちなみに、雪虫は北海道や日本だけではなくロシアにも生息しています。
雪虫は雪の妖精? 実は厄介な存在
白いワタをまといふわふわと飛ぶ姿は、雪のようでかわいく見えるかもしれません。
でも、道民にとってはとても厄介な存在。
「髪の毛にくっつく」「服についたら取れない」「口の中に入ってくる」など…。
書いている私自身も昔、自転車通学時に口の中に入ってきてとても気持ち悪い思いをしました。
かわいいより厄介が勝る、道民を悩ます厄介な存在です。
雪虫の対策
雪虫の対策は第一に「木に近づかない!」
まぁ木に近づく方もそうそういないと思うので…。具体的な対策をご紹介します。
服につかないようにする対策としては、ツルツルとした素材を選ぶのが良いですね。
ナイロンやデニムは比較的くっつきにくく、くっついても払いやすいです。
カッパを着るのもお手軽で良いですよ。
逆に、フリースやニットなどの毛足の長い生地は、雪虫が絡まりやすく避けた方がベター。
お顔の対策は、メガネやマスクで隠すしかないようです。
髪の毛は帽子をかぶるのが良いですが、ニット帽は避けましょう。
【悲報】気のせいじゃなかった#雪虫 pic.twitter.com/48Mh6X6nxi
— アルケミノート@スケジュール帳製作中🌟ねこ休み展出展🐈 (@Sn50T) October 14, 2023
一番大変なのが自転車。
ぶつかった雪虫は洋服にワタがひっついてとれず、避けることもできないため雪虫まみれです。
雪虫が大量発生している時は、自転車に乗ると悲惨なことになります(経験済み)
雪虫の大量発生はなぜ起こる?
『雪虫の大量発生!』というニュースを見かけることがあります。
【札幌市:雪虫が大量に発生】
— 札幌災害情報 (@sapporo_119) October 18, 2023
HTBニュース
札幌市内の住宅街ではまだ雪は降っていませんが、冬の訪れを知らせる雪虫がこの数日、大量発生しています。
異例の多さに市民からは困惑の声も出ています。https://t.co/tSSy4N4fvf
『雪虫の大量発生』はなぜ起こるのでしょうか。
雪虫の大量発生の原因は『夏に暑い日が続くこと』にあると考えられています。
気温が高いと雪虫の成長が早く子供を産む(数十匹)のも早くなり、ネズミ算式に全体数が増えるということです。
夏に猛暑や暑さが続く傾向があると、秋は雪虫が大量発生するということですね!
地球温暖化のため、雪虫の大量発生の頻度は増える傾向にあると言われています。
雪虫が見られると初雪が降るのは本当?
「雪虫を見かけると1〜2週間くらいで初雪が降る」という伝承に、明確な根拠はないようです。
雪虫のトドマツの木からヤチダモの木への大移動の時期が、雪が降る時期と重なっているために「雪虫を見かけるともうすぐ初雪!」と言われるようになりました。
最近では伝承とずれがあり、雪虫の発生から1〜2週間よりも後に初雪が降ることが多いようですよ。
【雪虫って北海道だけ?】まとめ
【雪虫って北海道だけ?】についてご紹介しました!
白いワタをまとった虫は全国に生息していますが、『雪虫』と呼ぶのは北海道や雪の降る地域というのが正しいようですね。
雪の妖精などと呼ばれることもありますが、北海道民にとってはとても厄介な雪虫についてご紹介しました!